初めに平素より大阪大学男子ラクロス部を応援してくださっているOBOGの方々、保護者の皆様、いつも多大なるご支援・ご声援をありがとうございます。
四年生MFの上田拓実と申します。
四年生DFの藤岡と共に副将を、四年生AT馬場と共にOFリーダーを務めています。
気の利いた洒落や冗談の無いブログではありますが、最後まで読んでいただけると幸いです。
昨年はOF副リーダーという形で、戦略や戦術作りを主に担わせていただきました。しかしながら、リーグ戦の結果は2勝1分3敗。一部で戦うことの厳しさや一勝を掴む難しさを痛感し、一部常連校との基礎的な技術、試合の流れを掴む力の差を見せつけられる事となりました。
そして、昨年11月17日、何とか入れ替え戦に勝利し、一部残留が決まりました。先輩方を勝利で送り出せた喜び、張り詰めた緊張からの解放、試合で何も出来なかった無力感など、複雑な思いが込み上げて、ありえないほど涙を流したことを鮮明に覚えています。
次のリーグ戦までの約9ヶ月間で何が出来るだろう、関西制覇のためには何が足りていなかったのだろう、と悩みつつ新シーズンが始まりました。
そんな中、大きな転機がありました。日本一を何度も経験し、日本ラクロス界のトップを牽引してきた現OFコーチである家石聖さんとの出会いです。関西制覇という目標実現に向けた、ラストピースのような運命的なものを感じました。聖さんとの日々は、常に新鮮で、技術面や戦術面だけでなく、常日頃の練習の基準やラクロスとの向き合い方など、学ぶことばかりでした。
そして、トップリーグ準優勝、七帝戦優勝と勢いのあるように見えた中で迎えた今年のリーグ戦。
開幕二連敗。
こんなにもあっけなく自分達の目標は散ってしまうのか、と絶望を感じました。チーム内情も決してよいものとは言えず、このチームで本当に勝てるのか、そもそも全員が勝ちたいのか、と考えさせられた時もありました。しかし、それでも立ち上がれたのは今シーズン結果を出すことの意味を再認識したからです。
1,2,3回生を経て3度の入れ替え戦を経験しました。
Frcの山口さんゴンさんを始めとして、「中長期的に強い阪大のために」と育成に力を入れてくださった先輩方。中長期的に、という言葉の意味やこの言葉を掲げる難しさは、一回生の頃の自分には到底理解できないものでした。四回生になって初めて、自分たちの代のみならず、阪大ラクロス部という組織を俯瞰的に見ることの難しさ、大変さを感じました。
二部に所属していた酒井組、宮本組の時、どれだけ多くの人が一部で闘うことを夢見たでしょうか。どれほど強く関西制覇を願っても、その夢を後輩に託す事しかできなかった先人達の想いを背負う私たちは、どれだけの困難があっても、関西制覇を目指し続けなければいけない責任がある。
このことを改めて認識し、自分なりにではありますが、踏みとどまり立ち上がることができました。
私たち32期は、阪大男子ラクロス部の改革の始まりを間近で見てきた最後の代となります。
関西制覇のカップを掲げる瞬間を、バトンを繋いでくれた先輩方に見せたい、その一心です。
藪崎組が関西制覇を成し遂げることにこそ意味がある、と強く思います。
少し話は変わりますが、阪大ラクロス部はこれから先より大きな組織へと変わっていくと思います。
その際、重要になってくることは、組織に所属する人全員が役割、責任を果たし、組織単位で物事を見ることだと考えます。
役職や立場、回生を問わず、どれだけ多くの人が、組織に起こる事を「自分事」として捉えることができるかどうか。「パーソナルイズポリティカル(個人的なことは、政治的なこと)」という言葉が示すように、部員一人一人の言動や悩みは、その人個人の問題として片付けるものではなく、根底的な組織体制や価値観に関わる問題として捉え直すことができるはずです。
常日頃、練習メニューやボールケア、ダウンに至るまで、「こうしたらいいのに」「こうあるべき」という考えは、組織全体に関わる事です。こうした些細な気づきや考えを、他人事と捉えずに、どれだけ組織全体の問題だと昇華することができるか。一人でも多くの人が、個人単位から、組織単位へと視野を広げ、それが普遍的に受け入れられた時に、組織としてより一層強くなれるのではないか、と思います。また、こうした視野の広がりは、必ず自分に返ってくるものです。私自身、実力が伴わないながらも、二年間OFの中枢に携わってきました。自分の実力不足や理想とのギャップにもがくこともありましたが、二年前の私では想像できないような考え方や、物事の見方ができるようになったのではないかと思います。
一方、私たちの組織は、様々なバックボーンや価値観を持つ人の集合体であり、各々が自分のフィールドで活躍することが良さであるとも言えます。そして、全員が同様に組織全体に対して目を向け続けることは、無理難題かもしれません。
しかしながらそれでも、視野を少しずつ広げてみて欲しい。「自分一人」から、隣によくいる人、同じポジションの同期、ポジション全体と、、、。
今まで自分にしかベクトルを向けられていなかった人は、同期の仲のいい人にベクトルを向けてみることから始めればいいと思います。
私たちの組織は、密接な人間関係が連続したものであるため、こうした一人一人の些細な変化が、相互に伝播して、組織に必ず大きな影響を与えるはずです。
最後に、ありきたりではありますが、文面でないと伝えられないと思ったので、OFメンバーに今思うことを書きます。
聖さん、俊太朗さん
お二方の支えがあってここまでこれました。早稲田戦後、聖さんに泣きついたこともあったし、俊太朗さんに全てを投げ出すような弱音を言ったこともありました。どれだけ感謝の言葉を述べようと、足りないというのが正直なところではあります。関西制覇して、お二人を胴上げすることでしかこの感謝は伝えられないと思います。11/1も共に闘っていただけると嬉しいです。
馬場 本当に助けられた一年間でした。自分のモチベーションの上下を一番近くで感じて、何も言わず助けてくれていたと思う、ありがとう。それぞれの得意不得意分野で上手く役割分担できたからこそ、この一年間走り切れたと思う。あとは結果を出すだけ、死ぬ気で臨もう。
四回生 自分も含めてどこか不器用な人が多いけど、ここまでみんなでやれてよかった。後輩に助けられてばかりじゃ格好つかない。最後は俺らがやろう。下の代に比べると、自分含めてどこか不器用さを持つ代だとつくづく思う。それでも、何度も試行錯誤を繰り返し、何度も自分の弱みと向き合ってきたメンバーだと思う。次も負けたら本当に最後の試合になる、四回生の覚悟と意地を見せつけよう。
三回生 去年から本当に助けられてばかりで申し訳ない。去年は、自分の頼りなさから、二回生ながらとても大きなものを背負わせてしまっていたと思う。ミスは全部四回生が取り返すから、11/1もいつも通り暴れてほしい。
二回生 今シーズンの初め、練習に合流した時、心からワクワクした。全員が自分の色を持っていて、基礎技術も高いメンバーばかりで、誰もがリーグ戦に出て何かの役割を担う未来が見えた。だからこそ、厳しく要求することも多く、自分の至らなさから、そのような未来が中々実現できなかったことが本当に申し訳ない。それでも、Bリーグを通じて本当に成長した。壁にぶつかることや腐りそうな時も多々あったと思う。それでもグラウンドに答えを探しにきていた君たちなら、必ず来年のOFの中核を担うはず。心から応援してます。
そして、背番号をくれた初めてのブラザー。ずっと背中を追ってきたからこそ、昨シーズン一緒にピッチに立てて嬉しかった反面、関西制覇できずに引退させてしまった悔しさが今も残っています。今シーズン試合をまだ見に来ていないのは、ファイナルに行くと確信していたからなのでしょうか。ファイナルこそは見にきてください。
この4年間、入部当初描いていたようなプレイヤーにはなれなかったし、関西の中で、最も実力のないOFリーダーかもしれません。
しかしながら、それでも横を見れば、こんな自分についてきてくれたメンバーが揃っていて、たくさんの応援してくれる人たちがいます。
何がなんでも関西制覇して、自分なりの恩返しをしたい。
来たる11/1、 相手は京都大学。
何度もしんどい場面が来ると思う。けれど、何があっても屈せずに戦い抜くだけ。
絶対に勝利して、最高の景色を全員で見にいこう。
不屈

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